ウソツキセンセイ


***


 あと五分で放課後になる。


 化学の時間にもらったプリントを小さく折りたたんで、あたしはてのひらで包む。


 キーンコーンカーンコーン……


 チャイムが鳴った…!


 その瞬間に、なぜだか緊張で身が強ばってしまう。


「紅音、私今日練習遅くなるからさ、先帰ってていいよ」


 蒼依は授業道具を片付けながらあたしに言った。


「了解」


 そう返事をして、あたしは蒼依よりも先に教室から出る。


 行き先は、もちろん理科室だ。

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