ウソツキセンセイ
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あと五分で放課後になる。
化学の時間にもらったプリントを小さく折りたたんで、あたしはてのひらで包む。
キーンコーンカーンコーン……
チャイムが鳴った…!
その瞬間に、なぜだか緊張で身が強ばってしまう。
「紅音、私今日練習遅くなるからさ、先帰ってていいよ」
蒼依は授業道具を片付けながらあたしに言った。
「了解」
そう返事をして、あたしは蒼依よりも先に教室から出る。
行き先は、もちろん理科室だ。