ウソツキセンセイ

　平塚先生とベンチで話をしていた時に、あたしが平塚先生に言った言葉。


　でもあれは、ほぼ感情任せに出てしまったようなものだ。


「俺は俺のやりたいことをする。……学校でさ、横田さん以外の人達の前で自分を作るのにも疲れてきたし、いい機会だね」


「……それで、先生を辞めるんですか……？」


　平塚先生は静かに頷いて、あたしを見た。迷いが無いようなその目に、あたしはほっとしたけれど、とても寂しく感じた。


　でも、平塚先生が先生を辞める理由が聞けて良かった。これであたしの目的も果たされたわけだし、この先、平塚先生のことで後悔することはきっとないはず。


　きっと……。