ウソツキセンセイ
 テレビとテーブル、少し大きめのソファしかないこの部屋に戻り、あたしは平塚先生にお辞儀をする。


「気にしなくていいよ。それと帰り、乗せていくからゆっくりしていってよ」


「あっ…歩いて行くので平気です」


「送らせてよ。お詫びお詫び」


 そう言って、平塚先生はお皿に乗ったいちごタルトと一緒にここへ来た。


 前に平塚先生がご褒美として奢ってくれた、あのいちごタルト。


「食べて」


「いいんですか…?」

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