ウソツキセンセイ
 結構漠然とした質問に、あたしは食べる手を止めて考えてしまう。


 全部好き、だなんて、くさすぎるにも程がある。


「じゃあ、平塚先生はあたしのどこが好きなんですか?」


 答えるのに戸惑って、あたしは質問を質問で返してしまった。


 平塚先生はんー、と考える素振りをした。


「横田さんの好きなところ。そうだなぁ、極端なところかな。見ていて飽きないし。それと、問題が解けないと少ししかめっ面になるところ。あの顔、すごく可愛いと思ったよ。あとは──」


「も、もういいです」


 まだあるのに、とクスクス笑う平塚先生を、あたしは無理やり制止する。これ以上言われたら恥ずかしくて身が持たない。


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