ウソツキセンセイ
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日が暮れて、街頭がぽつりぽつりと明かりを灯し始めた。
平塚先生の車に乗って、あたしの家まで向かう。
「俺ね、少し離れたところの某大手企業に就職することになったんだ」
車の中で、平塚先生とそんな話をする。
「そこで働いてお金を貯めつつ、そのうち塾でも建てようかと思ってる」
「結局、先生を辞めないんですね」
「そういうことになるけれど、またちょっと違うかな。私企業の方が動きやすいし、俺の性にもあってるから」