ウソツキセンセイ
「校門の奥で待っていたんだけど、見つかっちゃった」


「相変わらず、人気者は大変ですね」


 誰もいない路地裏で、あたしと平塚先生は笑った。


 半年ぶりに会うのに、あんまり感動的じゃない再会だ。


 それはそれで全然いいんだけど。


「あー…もう疲れた」


「わっ、平塚先生!?」


 ぐったりとあたしに抱きついて、平塚先生は息を整える。


 平塚先生の心臓の音が、あたしの耳にも届くほど高なっているのがわかる。

< 262 / 272 >

この作品をシェア

pagetop