ウソツキセンセイ
 小さくため息をついて、あたしは頬杖をつく。


 ただでさえここに呼ばれたことが意味不明なのに、あたしを無視して作業する先生なんて信じられない。


「──さて」


 ペンのキャップを閉めて、平塚先生は教卓の上を整理した。


 今仕事終わったのだろうか。


 どっちにしても、用があるのなら早めに済ませてここから出たい。


「横田さん、単刀直入に聞きますね」


 あたしの嫌いな作り笑いを浮かべて、平塚先生はあたしのことを見る。


 そこから出てきた言葉は──。



「どうして俺のことそんなに嫌いなの?」



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