ウソツキセンセイ
 他人事ながらも、あたしはちゃんと蒼依のことを応援している。


 その度に蒼依に「まずは自分もね」と言われるけれど…。高校三年生になった今でも、将来やりたいことが見つからない。


 逆に進路とかやりたいことが決まっている皆にあたしは驚きだし。


「あっ、次の授業化学だよ!理科室だよ!忘れてた!」


 クラスの誰かが甲高い声で言った。


 その声に反応した人…特に女子は慌てて成績表を机の中にしまって、理科室へ行く準備を始める。


「平塚先生の化学の授業になってから、皆化学のやる気すごいよね〜」


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