ウソツキセンセイ
 成績…。


 あたしの成績の中で、化学は断トツで悪い。


 これは一年生の頃からのことだから、今更勉強しようもないんだけど…。


「学年主任の先生に相談されてね。横田さんの化学の成績を上げてほしいって」


「あたしは別に成績を上げようとか思ってないんですけど…」


 だって苦手だし。どうせ進路も決まっていないし、受験するかしないかも未定だもん。


「でもごめんね。主任の先生に頼まれちゃったからさ」


 平塚先生は席から離れて、再び教卓へ戻る。教卓の上に重なった分厚い紙を手に携えて、あたしにそれを見せた。

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