ウソツキセンセイ
 こいつ……。


 あたしにただでさえ苦しいこの空間で、苦手な化学をやらせると言うのか…!?


「どうかしましたか?」


「…………別に」


 わざとだ。


 あたしが平塚先生のことを苦手だと知っていて、わざとそう言ったんだ。


 結局、あたしはすぐに諦めて近くの席に座った。


 書くものを何も持ってきていないから、平塚先生が使っていたペンをもらう。


「じゃあ、さっそく放課後の授業しよっか」


 にこりと笑顔を浮かべて、平塚先生は白いチョークを持った。


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