ウソツキセンセイ
 二重の意味で全然大丈夫なんかじゃないけれど。


 まずはあたしの化学の出来がすこぶる悪いこと。


 そしてもう一つは平塚先生のもう一つの顔のこと。


 明らかに二つ目の方が衝撃が大きすぎて、あたしは未だに戸惑っているぐらい。


「これで少しは紅音の化学の成績が良くなるといいんだけどね。もちろん私のことも頼っていいからね!?」


「蒼依のことはいつも頼りにしてるよ」


 というか平塚先生と授業するよりも、蒼依に一から聞いた方が心身的にもすごく楽な気がする。


 だけど、肝心な蒼依は部活に追われているからなかなか一緒に勉強できる時間が取れない。


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