ウソツキセンセイ
 どうもあたしはこの先生が苦手なタイプなのかもしれない。具体的にどこがってことなんだけど、うまく説明しづらい。


 生徒はこんなにも親近感をわかせているのに、どこか一歩引いたような感じで接しているところとかもそうかな。


 よく困ったような笑顔もするけれど、なんか嘘くさいというか。何か裏がありそうな、嫌な感じ。


 とにかく、全体的に平塚先生のことが苦手。


 だからあたしは、クラスの女子たちがキャーキャーと先生の周りに集まっているのかが理解できない。


「ほら、紅音!早く準備して行くよ〜!」


「わかったわかった」


 五教科の中でも一番苦手な理科。その中でも化学分野はちんぷんかんぷん。


 一から学び直したいと思うほどまでに、成績の低いあたしにとっては、これから始まる授業がただただ苦痛でしかなかった。

 
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