ウソツキセンセイ
 あたしの手を握ったまま、また平塚先生は目を閉じる。


 すぅ……、と寝息が聞こえてくる。


 あたしはこの状態のままどうしたらいいんだ。しかも先生にしっかりと手を握られている。


「勘弁してよー…」


 今のあたし、絶対に顔が真っ赤だ。


 この顔を平塚先生に見られないだけ全然いいや。


 結局あたしは、平塚先生の隣に座って、先生が起きるまで黙って待つことにした。


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