ウソツキセンセイ
 この手にどれだけあたしは心臓を高鳴らせたと思っているんだ。


 何はともあれ、早いうちに平塚先生が目覚めてよかった。


「ほんと最近疲れひどい」


 独り言なのか、はたまた言い訳なのか。


「今日はもう帰って休んでもいいんですよ」


 何気なくあたしはそう返事をする。


 すると、平塚先生に「バカ」と言われて今日の化学のプリントを渡された。


 うまく行けば授業を受けずに済んだんだけど、ということは伏せておいて。
 
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