ウソツキセンセイ
 いや、でも。これは不可抗力だから。


 平塚先生の解説に集中出来なかったのは結果的に平塚先生のせいだから!


 …なんてことは平塚先生に言えるはずがなく、あたしはぺこぺこと平塚先生に頭を下げる。


「うーん、気分転換してみる?」


「気分転換…?」


「例えば俺にキスされてみるとか」


「ありえません」


 平然と、そして爽やかな笑顔で平塚先生は言う。


 そんなのはこっちから願い下げだ。

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