ウソツキセンセイ
 そう言われても、あたしから見たら平塚先生の手に持っているのは毒物にしか見えない。


 まぁ毒が学校の中にあるわけがないか。


 平塚先生はボトルの中の粉を水で溶かし、それをテーブルに置く。粉は全部溶けて、水と同じ透明になった。


「横田さん、ガスバーナーの使い方分かる?」


「いえ、全然」


 化学が嫌いなら、当然理科の実験道具の使い方も知らない。


 中学校の時とかも使ってた記憶はあるけれど、他の人任せにしていたから、あたし一人では扱うことは出来ない。

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