ウソツキセンセイ
 回してごらん、と平塚先生はあたしに言った。


 言われた通りにあたしは下の輪っかをくるくると回す。


「次は上を回してね」


「はーい」


 下と同じようにくるくると回すと、さっきまで弱々しかった炎はあっという間に勢いよく燃え上がった。


「あ、ちょっと回しすぎかな」


 平塚先生の手が、あたしの手に重なる。


「──っ」

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