ウソツキセンセイ
 思わずあたしはガスバーナーから手を離してしまうと、平塚先生は少しだけあたしの方を見て、「ごめんね」とだけ言った。


 ……びっくりした。


 さっき先生が眠っていた時といい、今と言い…。


 本当に心臓が悪い。


 あたしがもたもたとしているうちに、ガスバーナーの準備はできてしまったようで、ガスバーナーの炎は青く燃えている。


「はい、これで大丈夫。んで、俺がさっき作ったこの液体を霧吹きの中に入れます」


 ビーカーに入った液体を、霧吹き専用のボトルに移し替えて、平塚先生はそれをあたしに渡す。

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