ウソツキセンセイ
 平塚先生はテーブルの上に五つ、別の霧吹きを並べてあたしに渡す。


 それをあたしはどんどん火に向かって噴射していく。


「すごい、綺麗…!」


「炎色反応って言うんだよ。黄色くなったのは横田さんが好きなナトリウムだよ」


「別に好きじゃないです」


 困った時に何かとナトリウムと答えたくなるだけで、好きというわけじゃないです。


 炎は赤、黄緑、緑、紫、オレンジ色…色とりどりの色に変わっていく。


 霧吹きだからほんの少ししか色の変化は見れないけれど、あたしは子供のようについはしゃいでしまい、霧吹きの中身をほとんど使い切ってしまった。

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