ウソツキセンセイ
「そうですか?」


「だっていつも俺の前では仏頂面してるじゃん。その度に俺のこと嫌いなんだなーって感じるよ」


「……正直に言えば、あたしは平塚先生のこと苦手ですよ」


 平塚先生はガスバーナーの火を消して、あたしはテーブルの上を綺麗に拭く。


 片付けをしながら打ち明けるのもおかしなことだけど、この際思っていたことをぶちまけてしまおう。


 なんとなく、そんな気持ちになった。


「作り笑いを浮かべて、誰にでも優しい先生を演じているあたり。そこら辺が好きじゃないです」


 やっぱり横田さんにはバレバレだったかぁ、と平塚先生は頭を掻く。

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