ウソツキセンセイ
「……なんか少し安心した」


 ふぅ、と一息をついて平塚先生は呟いた。


 何がですか、とあたしは聞き返すと、平塚先生は少しだけあたしに視線をやって、そしてすぐにそらした。


「横田さんみたいな子、いるんだなって」


 平塚先生がそう言い終えると、理科室に軽快なスピーカーの音が流れる。


『平塚先生、至急職員室まで来てください』


 スピーカーから聞こえてきた教頭先生の声。その声に気づいた平塚先生は、急いで理科室の片付けを進める。


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