ウソツキセンセイ
 どうせ蒼依が部活終わるまで暇だし、まぁいいや。


 半分投げやりであたしは席を立ち、時間を潰しながらゆっくりと廊下を歩いた。


 理科室のある棟は、窓から差し込む光で照らされている。


 人気の無さそうなこの雰囲気、嫌いじゃないかもしれない。


 どうせなら、理科室で光を浴びながらお昼寝しても問題なさそうな気もするけど、鍵を締められて閉じ込められたら悪いからやめておこう。


 理科室の扉に近づき、あたしはドアノブに手をかけた。

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