ウソツキセンセイ
「紅音ー?」


 聞き慣れた声にあたしはほっと息をついた。


「入るね」


 カーテンを開けて、中に入ってきたのは蒼依。


 部活を切り上げて来たのか、練習着のままここに来たみたい。


「おはよ」


「なんだ、起きてたんだ!びっくりしたよ、橋本先生がいきなり体育館に来てさ~」


 橋本先生とは、この学校の保健室の先生。


 寝癖を放置したようなボサボサの髪の毛で、ちょっといい加減な所が割と校内でも有名な先生だ。

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