ウソツキセンセイ
「今はもう苦手とか思ってないんでしょ?」


「そりゃ……まぁ…」


 皆の前でいる平塚先生の姿は、嘘の塊でできたものだとあたしははっきり知ることができたから。


 少なくとも苦手とか、そういう感情は薄れてきている。


「あのさ、蒼依……」


 平塚先生といると、すごく胸がドキドキしてしまうこと。顔が赤くなること。


 もしかしてあたしは平塚先生に恋をしているんじゃないか、ということ。


 あたしはその全部を蒼依に言ってしまった。

< 87 / 272 >

この作品をシェア

pagetop