ウソツキセンセイ
「……っ!」


 理科室の教卓で、思いも寄らない人が何か作業をしていた。


「平塚先生……」


 あたしが呟いた声が聞こえたのか、平塚先生は手に持ったペンを止めてあたしを見た。


 このまま引き返すと余計に気まずくなりそうだから、あたしは「どーも…」と言いながら理科室の中に入った。


「あはは、珍しいお客さんですね」


「はぁ……」


 まるで理科室を自分のお店のように言う。


 実際、今理科室を独り占めしているのは先生だから、間違ってはいないのだろうけど。


「もしかして忘れ物ですか?」


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