ウソツキセンセイ
 晴れやかな心であたしはお昼ご飯を食べようとすると、廊下から女子の黄色い声が聞こえてきた。


 なんとなく、誰がこっちに向かってきているのかは予想がつくけれど、今はこの予想は当たって欲しくないものだ。


「平塚先生どうしたんですか!?」


「私のテストどうだった!?」


 だんだん近づいてくる女子の黄色い声。


 それをうまい具合で交わしてきている平塚先生の様子が、なんとなく想像できた。


 すると、ガラッと教室の扉が開く。あたしは平塚先生が教室に入ってきたということを、玉子焼きを頬張りながら知らんふりをする。

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