ウソツキセンセイ
「このクラスの分のテスト、採点しておいたから先に返しますね」


 平塚先生は教壇の手前でクラス分のテストの用紙を持って言った。


 廊下で平塚先生のことを見ている他のクラスの女子たちは、「私たちのはまだですかー」と言っているけど、放課後に丸をつけると言って平塚先生は受け流した。


 クラスの生徒の名前を順番に読み上げて、皆は先生の手からテストを受け取る。


 高得点だったのかガッツポーズを決める男子や、点が低かったのか満足ていない顔の女子、様々いる。


「横田紅音さん」


 いよいよあたしの名前が呼ばれた。


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