ウソツキセンセイ
 感動で喜びに浸っていると、蒼依はふと何かに気がつきあたしにテスト用紙を返した。


「紅音放課後呼ばれてるけど…」


「え?」


 蒼依が指を指したところを見ると、平塚先生のボールペンで確かに「放課後ちゃんと来てくださいね」と書かれてあった。


 ……ということは…?


「……ケーキは休みの日にしよっか」


「…………うん」


 せっかく蒼依も休みでケーキ屋さんに行けると思ったのに。


 まさかここで不運に見舞われるとはあたしは全然思っていなかった。

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