【短編】君を探して、哀を奏でる
**☆☆**
「貴方の愛はまた、凶暴ですね、ヘルメスさん」
私は蒼い星の分身たちを見、隣のヘルメスさんを見た。
「違う『世界』の季音さんを探し出し─千歳さんと言いましたか。彼女の魂を季音さんに入れるなんて」
「僕は幸運と盗みの神だよ?盗みなんてお手の物」
そんな爽やかに笑われても。
「喜んで良いのか悲しんで良いのか…」
しかし、それが人間の言うところの神の運命。
仕方がない。
「それに、ホーラが僕の分身に力を与えたんじゃないか。時空能力を」
「まあ、そうですが。あんな形で使用するとは夢にも思いませんでしたよ」
「そうだよねぇ。さすが僕の分身。神の力なんて、本領発揮するの相当な念がないと無理なのに、ホーラの力を最大限活用してるよねぇ」
本当、すごい。
人間の愛の力を侮っていたけれど、捨てたものじゃない。
蒼い星で幸せに笑う二人をもう一度見て、目を閉じる。
この星が末長く続けば良い。
蒼い星が赤になったとき、私はまた彼らを壊さなければならないから。
「貴方の愛はまた、凶暴ですね、ヘルメスさん」
私は蒼い星の分身たちを見、隣のヘルメスさんを見た。
「違う『世界』の季音さんを探し出し─千歳さんと言いましたか。彼女の魂を季音さんに入れるなんて」
「僕は幸運と盗みの神だよ?盗みなんてお手の物」
そんな爽やかに笑われても。
「喜んで良いのか悲しんで良いのか…」
しかし、それが人間の言うところの神の運命。
仕方がない。
「それに、ホーラが僕の分身に力を与えたんじゃないか。時空能力を」
「まあ、そうですが。あんな形で使用するとは夢にも思いませんでしたよ」
「そうだよねぇ。さすが僕の分身。神の力なんて、本領発揮するの相当な念がないと無理なのに、ホーラの力を最大限活用してるよねぇ」
本当、すごい。
人間の愛の力を侮っていたけれど、捨てたものじゃない。
蒼い星で幸せに笑う二人をもう一度見て、目を閉じる。
この星が末長く続けば良い。
蒼い星が赤になったとき、私はまた彼らを壊さなければならないから。