笑顔を絶やさずに
病院に着いてすぐ、裏口に車を止める。
「優衣、着いたよ」
と一言声をかけて抱きかかえる。
「…ひろ…と」
「辛いね…もう少しで楽になるよ」
なるべく急いで、病院の中に入る。
「吉田先生!!」
入ってすぐに、聞き慣れた声が聞こえた。
「急いで、結構限界」
そう言いながら澤田の診察室に向かう。
「はい、もう準備は出来てます。
嘔吐と目眩、高熱ですよね?」
「うん。完璧」
さすが俺の後輩。
こんなやりとりをしながら優衣をベッドに寝かせて、澤田に託す。