ストロベリーショートケーキ<第四話>魅惑の魔法
パニクってる黒砂糖の緊迫した言葉で正気に戻ったあたしは、まだドキドキする胸を押さえつつ迫りくる壱吾からなんとか逃げ出した。


「危なかった!黒砂糖、あんたもちょっと落ち着いてよ!あたしもトラックにひかれたとこまでしか覚えてなくて、気付いたらお菓子の国よ。あんた小人だったけど、そこら辺は覚えてる?」


「ええ!?僕が小人!?なんの事かさっぱり見当もつきません!」


黒砂糖には衝撃的な真実だったらしく、両手で頭を抱えてしゃがみ込んでしまった。


せめてそこの記憶があればよかったんだけど、役立たずな男!


「ねぇ黒砂糖、いつまでもパニクってないであんたも少しはどうしたらいいか考えなさいよ!エリートはこういう時に役に立たないんだから!」


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