モテ系同期と偽装恋愛!?
中学の時に仲良し女子グループを外されたことは、今でも心に大きな傷跡として残されている。
ユウたちはまだ、私を誤解したままなのだろう。
私がユウの好きな男子を、横取りしようとしたのだと……。
辛くて悲しいあの出来事が、私がこんな風になってしまった一番目の原因。
でもあの時点では、男性を怖いと思っていなかった。ただ、男子が絡むとろくなことがないと思う程度で。
それが高校に進むと告白ラッシュにあい、付きまとわれたり、待ち伏せされたり、時には悲鳴をあげて逃げなければならないような強引な迫られ方をされる内に、苦手から恐怖に感情がシフトしていった。
男子が寄ってくるほどに、女子は離れていくし、ヒソヒソ聞こえてくる陰口と敵意のこもる視線が心に痛かった……。
全てを打ち明けて、横山くんからもらった緑茶をひと口飲む。
背中はくっついていないけれど、なんとなく横山くんの体温が伝わってくる気がしていた。
温かくて優しくて、その大きな背中にもたれてみたくなるが、そうできないのは心の中の怖いという感情を消せないから。
こんなに親身に話を聞いてくれる横山くんでも、男性なので恐怖の対象に入ってしまう。
多感な時期に蓄積されたこの負の感情から、抜け出せそうになかった。