モテ系同期と偽装恋愛!?
フロア全体が一瞬シンと静まり返り、その直後に叫び声に近い驚きの声が周囲から上がった。
ああ……恥ずかしすぎて、机の下に潜り込みたい気分……。
目線はずっと横山くんの長い足の間を抜けて、その後ろの机の下に向いていた。
でも本当に潜り込む訳にいかず、私は羞恥の中で質問攻撃に耐えるしかなかった。
「紗姫さん、本当に遼介と付き合ってるの?」
「うん……」
「どっちから告ったの? まさか紗姫さんから?」
「それは……ええと……」
私からは告白していないが、横山くんからだというのも何か違う気がする。
言うなら、私の秘密がバレたために、横山くんが彼氏役を買って出てくれた……そんな説明だろうか。
依然真っ赤な顔のままで返答に困っていたら、
「しおらしくなっちゃって、マジで何があったの? 遼介が紗姫さんの性格まで変えたの?」と、さらに答え難い質問をされてしまう。
「横山くん……」
助けを求めるべく、まだ私の手を握っている彼に呼び掛けたら、ニッコリ笑って優しく叱られてしまった。
「コラ、呼び方間違えてるよ。
俺の名前はなに?」
「り、遼介くん……」