モテ系同期と偽装恋愛!?
男性恐怖症を克服して、明るく前向きな人生を歩みたい。普通の恋愛もしてみたいし、もっと友達もほしい。
保守的だった今までの自分から抜け出したい……。
泣きながらロボタンへの感想と、男性恐怖症克服への決意表明を口にすると、クスリと笑う彼の声が耳もとで聞こえた。
「まさか、コメディアニメで泣くとは思わなかった」
「ごめん……私、大人になっても泣き虫で……」
「感受性豊かなのはいいことだよ。素直で可愛い……。それと、気づいてる? 俺、今かなり接近してるけど、震えていないね」
言われて気づいたのは、彼に肩を抱かれているということ。
ハンカチを顔から離して横を見ると、30センチもない至近距離に整った甘口の顔があり、さっきよりもハッキリと香水の香りも感じられた。
ハッとして涙は引っ込み、体が勝手に固くなる。すると彼が私を離さないまま、慌てて言った。
「意識したらダメ。力を抜いてリラックスして。
長時間この体勢で平気だったんだから、これからも大丈夫だと信じて」
そう言われても……。
緊張を解こうと試みても、やはり力は抜けることなく、肩に回される筋肉質の腕やピッタリくっついている体の右側面に意識が集中してしまう。
ついには、小刻みに体が震え出してしまい、遼介くんが溜息をついて私から体を離してくれた。