モテ系同期と偽装恋愛!?
そんなことも分からないのかと桃ちゃんに呆れ顔をされてしまったが、教えてくれようとした彼女もまた答えに詰まり、私と一緒に考え込んでしまった。
「改めて聞かれると、難しい質問かも……」
うどんを食べながらしばらく考えてくれて、数分後、やっと答えを教えてくれた。
「一緒にいることで、同じ経験をして気持ちを共有したいと思う。相手のために何かしてあげたいと思うし、触れ合いたいと思う。それから……」
「それから?」
「あ、これは必須、嫉妬の気持ち。
8年付き合っても、自分以外の女に興味を示されるとムカつくよ。デート中にあの子かわいいとか言いやがったら、蹴り入れたくなる」
嫉妬……。
遼介くんと別れてからあまりにも寂しく思うので、もしかしてこれが恋だったりしてと、疑問が頭を掠めた時もあった。
でも今の桃ちゃんの話を聞いて、やっぱり遼介くんに恋をしていないのだと判断する。
彼には先に進んでほしい。新しい恋を始めてほしいと望んでいて、嫉妬の感情は湧いてこないから。
ふと窓の外を見ると、どこかの会社のOLとビジネスマンが、仲よさそうに歩いていた。
手を繋いで笑顔で何かを話している。
その光景は珍しくもなく、恋は街中に溢れているのに、このまま私のところにだけ訪れないのだろうか……。