モテ系同期と偽装恋愛!?
「俺、今、すごい期待してるんだけど。この予想、合ってるのかな……。涙の理由を教えてくれる?」
「うん……」
震える涙声ではどこまで伝えられたか分からないが、別れてから感じていたことを一生懸命に言葉にした。
寂しくて、想い出の品を引っ張り出して眺めていたこと。
他の男性とデート中でも、遼介くんのことばかり考えていたこと。
それでもまだ自分の気持ちが分からず悩んでいたが、さっき激しい嫉妬に襲われて、やっと気づいたこと。
「私、遼介くんに恋してる……」
生まれて初めての告白の返事は、耳もとに聞こえる深い安堵の溜息だった。
痛いほどに強く抱きしめられ、「やっと手に入れた……」と吐息混じりに囁く彼。
少しだけ体を離して見つめ合った後は、磁石が引き合うように唇が重なった。
舌を絡めて、夢中で彼を味わう。
冷たい雨に打たれてもなぜか体はどんどん熱くなり、今まで欠落していた女としての欲が泉のように湧いていた。
もっと、もっと深いキスを……。
そんな気持ちになっていたのに、突然唇が離されてしまい、上気した顔の彼に言われた。
「今夜こそ、紗姫を抱きたい」
瞬時に真っ赤に染まる顔。
恥ずかしくて堪らないが、目を逸らさずに頷いて、小さな声で返事をした。
「私も……抱いてほしい……」