モテ系同期と偽装恋愛!?
「可愛い……」と呟いて見つめていると、彼の手がケースから指輪を取り出して、私の右手の薬指に通してくれた。
「サイズ直せると言われたけど、どう?」
「ちょうどいいよ。このデザインと色、すごく好き。大切にするね……」
「いつか、もっと高級な指輪を贈るから」
「え? そんなのいいよ。これ本当に気に入ったし、サファイアだよね? 十分に高級だと思うよ」
もらったこの指輪を心から嬉しく思うので、もっと高級な指輪をと言い出す彼を止めて、深く考えずに断ってしまった。
するとなぜか不満そうな顔をする彼。
ベッドに押し倒されて「鈍いよな」と言われてしまう。
私の上に覆い被さる裸の彼にドキドキしながらも、鈍いと言われた意味が分からず聞いてみた。
「教えない」
「どうして?」
「どうしても。その時が来たら分かるから、待っていて。紗姫、愛してる……」
フッと優しく微笑んでから、唇が重なった。
よく分からないけれど、いつか分かるらしいから、その日を待つことにしよう。
指輪と愛の言葉と甘いキスに浸りながら、そう思うことにした。