モテ系同期と偽装恋愛!?
戸惑う私の顔にチラリと視線を流し、すぐに目線を前に戻した彼は楽しそうに笑った。
「言ったろ、遊園地でお子様なデートをしようって」
「うん……」
「でかいテーマパークの方がよかった? 激混みだろうけど今から行く?
子供ドリームランドは多分、空いてるよ。単純な遊具しかなくても、はしゃげば楽しい。行列でイラつくよりいいと思わない?」
そう言われたら、そんな気もする。
行列待ちの間、横山くんの隣で困るより、単純な乗り物でも待ち時間なく乗れる方がいい。はしゃぐことはないけれど。
少し考え、私も子供ドリームランドの方がいいと伝えると、「お、気が合ったな。いい滑り出しだ」と、横山くんは満足げに頷いていた。
ドライブ中、横山くんは途中で飲み物を買ってくれたり、かける音楽や温度にまで気を配ってくれた。
無言の時間が続かないように、色々な話題を振ってきたりもする。
彼がモテる理由は、恵まれた容姿とエースと呼ばれて仕事面で活躍しているからだと思っていたけれど、それだけではないみたい。
こんなふうに気遣われたら、自分に気があるのではないかと女性は勘違いしそうな気がする。
その結果チャンスがあると思って、彼に告白するのだろうな……そんなことを冷静に考えていた。