モテ系同期と偽装恋愛!?

戸惑う私の顔にチラリと視線を流し、すぐに目線を前に戻した彼は楽しそうに笑った。

「言ったろ、遊園地でお子様なデートをしようって」

「うん……」

「でかいテーマパークの方がよかった? 激混みだろうけど今から行く?
子供ドリームランドは多分、空いてるよ。単純な遊具しかなくても、はしゃげば楽しい。行列でイラつくよりいいと思わない?」


そう言われたら、そんな気もする。

行列待ちの間、横山くんの隣で困るより、単純な乗り物でも待ち時間なく乗れる方がいい。はしゃぐことはないけれど。

少し考え、私も子供ドリームランドの方がいいと伝えると、「お、気が合ったな。いい滑り出しだ」と、横山くんは満足げに頷いていた。

ドライブ中、横山くんは途中で飲み物を買ってくれたり、かける音楽や温度にまで気を配ってくれた。

無言の時間が続かないように、色々な話題を振ってきたりもする。

彼がモテる理由は、恵まれた容姿とエースと呼ばれて仕事面で活躍しているからだと思っていたけれど、それだけではないみたい。

こんなふうに気遣われたら、自分に気があるのではないかと女性は勘違いしそうな気がする。

その結果チャンスがあると思って、彼に告白するのだろうな……そんなことを冷静に考えていた。

< 53 / 265 >

この作品をシェア

pagetop