My letter 〜君の未来に〜
奇跡のカタチ
3人で海に行った日から約一週間、
私は病室で本を読んでいた。
そのとき、何か物音がした。
え?と思ったけど、私の隣にいる男の子を見た。
微かだけど、彼の指が動いていることに気がついた。
「木口くん!」
私は彼を呼び、ナースコールを押した。
『海実ちゃんどうした⁉︎』
「木口くん、指が動いた気がしたんです!」
『すぐに行くよ!』
それからすぐに石井さんは病室に入ってきた。
「木口くん、分かる?」
「………………………………ん……は………………ぃ…」
「自分の名前、言えるかな?」
「……木口…雫………」
「そうだよ。……木口くんのご両親と彩葉ちゃんに連絡お願いします。」
石井さんはナースコールを使って連絡を頼んだ。