My letter 〜君の未来に〜
タイムリミット
雫side
ピッピッピッピッ…
病室には機械音だけが響いている。
俺は静かな病室で1人、隣のベットに横たわる女の子の目覚めを待っている。
彼女は俺の恋人の親友、清水 海実ちゃん。
手の施しようのない脳腫瘍患者。
よく手のかからない患者とか言うけど、本当にそんな患者だ。
彼女は今から約5時間ほど前、意識を飛ばしたまま意識が戻らない。
コンコン
「どうぞ」
「木口くん、ごめんね…………限界、かな」
海実ちゃんの主治医である岬人先生は寂しげな顔をして言った。
「海実ちゃんから、何か聞いてないかな?…体調のこと」
「すみません。聞いてないです…」
岬人先生は、はぁ…とため息をついた。
「相当辛かったと思うんだけどね…」