My letter 〜君の未来に〜


彼女は遠慮をしてなのか、ただ頼りたくないのかはわからないが、自分のことを全くと言っていいほど言わない。

「まぁね、もう末期だったんだ。」

と先生は言う。

「そろそろ直人が来るはずなんだけど…」

ガラッ

「悪いっ!遅くなったっ!」

彼女の彼氏であり、岬人先生の弟、直人さんが病室に入ってきた。

「直人…」

「兄貴っ、海実はっ?」

直人さんの質問に岬人先生は首を横に振った。

直人さんは走ってきたのか、息を切らしている。

「なんか手はないのかよっ!」

俺がいることも忘れて叫んでいた。

「直人…海実ちゃんの脳腫瘍は、末期だったんだよ。」

岬人先生はしゃがみこんでいる直人さんの横にしゃがみこんで言い聞かせるように言った。

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