My letter 〜君の未来に〜
「うん。だから俺も医学部志望。」
さらに驚いた。
「…それなのに私なんかをかまってていいの?」
忘れそうだけど直人くんは受験生。
あと半年ほどで受験となる。
「へーきへーき。」
「今日はわざわざ早退してきたんでしょ?」
「大丈夫大丈夫。出席日数十分足りてるし。」
志望校…どこなんだろ?
「直人、志望校は?」
私が思っていることをそのまま聞いた石井さん。
「ん?F大医学部。」
「「え⁉︎」」
F大医学部、日本の大学の医学部の中で最も偏差値が高い難関校。
1回の受験で医学部は10人しか受からず、エリートの中のエリートを選出する。
「……直人、今から志望校やめろ。」
「は?なんで?」
「お前そんな頭あんのか?」
「それはわかんない。あ、全国模試はよく受けてる。」
私も心配になった。
「順位は?」
「前回が2位。1位に3点足りなかった。」
「「…………」」
空いた口が塞がらない。
それが今の状況。
「F大医学部の判定は?」
「まだ追い込みかけてないからB判定。」