My letter 〜君の未来に〜
「ペアリングをお求めですか?」
ちょっと声が高めの女性店員が俺に声をかけてきた。
「はい。」
「誕生石を使ったものなどはいかがですか?」
海実がいつもつけてるブレスレットもここのオーダーメイド品なら、それと対になるものもいいかな。
「彼女へのプレゼントなんですけど、前にこの店でピンクゴールドでハート型のルビーが付いてるブレスレットを 作っているみたいで、その対なるような指輪がほしいんです。」
「どのようなデザインか教えて頂けますか?」
店員が紙とペンを持って言う。
どうやら俺の言うことを絵にするようだ。
「チェーンの部分がハートと丸になっていて色はピンクゴールド、
ところどころにハート型のルビーが付いてるものです。
中心あたりのルビーはリボン型になってました。」
俺の横でスラスラと絵を描き、俺に見せる。
「こんな感じですか?」
「はい、そうです。」
「このようなデザインをお求めになられた方は当店では1人しかいらっしゃらなくて、
私、このデザインのお客様を担当させていただいたんです。」
「あ、それ彼女かもしれないです。」
その可能性は極めて高い。
この店員もここ何年かはいたみたいだし。