マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~

「亜衣ちゃん!」


とぼとぼと歩き始めると後ろから声がかかり、肩がビクっと跳ね上がった。
こんな呼び方をするのは、この会社で1人だから。


「お疲れさまです」

「どこ行くの?」

「お手洗い…です」


気恥ずかしさもあり、視線を外して私はそのまま歩を進めた。
だけど歩きながら斜め後ろからまた声をかけられる。


「今夜、俺と飯行かない?」

「…え……今日はちょっと……」

「なんで? 用事?」


用事は……ない。
だけどオーバーヒートなこの頭の状態で、誘われるがままに食事に行く気にならないというか。

要するに、気のりしない、ということなんだけど。
望月さんは食事の提案を引っ込める気はないらしい。

なんか……ものすごくガンガン攻撃されてる気が。


そうか。私が水無瀬くんにしてたことも、こういうことだったんだ。

息つく暇もなく、考える隙も与えず。
自分の想いだけをガンガン伝えまくる。

されたほうは困惑するばかりで、その気持ちに向き合うことすら難しい。

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