マシンガン LOVE ～この想い、あなたに届け！～

セックスをすれば色気が増すとでも思っているのだろうか。

おそらく風花は、カメラマンに言われた言葉の内容そのものが悔しいんじゃない。
そのカメラマンの男にダメ出しされた、その事実が嫌なだけだ。

本人はまだ気づいちゃいないのかもしれないが……

きっと風花は、そのカメラマンに心を奪われかけている。



「龍司のおかげでお肌つやつや～！ 女性ホルモンかな？」


ホテルを出て車に乗り込むと、助手席で風花が無邪気にそう言って笑った。
やはりセックスは美容の手段なのか？


「そのカメラマンに今度は褒められるといいな」


抑揚などつけずに俺はありきたりの言葉を並べる。
本当はそんなことどうでもいいんだが。


「うん！ ありがと！
ところで。龍司は例の子とうまくいきそうなの？」

「例の子って？」

「会社で好きな子が出来たとか…そんなこと言ってたじゃない？」


あぁ……亜衣ちゃんのことか。
そう言えば風花にチラっと話したか、亜衣ちゃんの存在を。