マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
「その資料、実は昨日中にマーケティング部に届けるようにって、俺…水無瀬に言ったんだけど。アイツ、忘れてたみたい」
「え、そうなんですか」
「悪いけど、マーケティング部に謝っといてくれる?」
「はい、わかりました」
「風見さんって人ね。…きっと木本さんなら怒られないよ」
健闘を祈る、なんて笑顔で送り出され、私はすぐにマーケティング部へ向かった。
水無瀬くんでも忘れることなんてあるんだなぁ。
私から見ると何でも完璧に見えるんだけど。
って……それは個人的な感情が入ってるからか。
そんなことを考え、のほほんとマーケティング部を訪れた私がノーテンキすぎた。
風見さんて方はどちらに? と入り口付近にいた人に尋ねると、各チームに分かれたデスクのリーダー席に座っている男性を指し示された。
無造作な黒髪の、背の高そうなキリっとした男性だった。
その机上はお世辞にも片付いているとは言えず、長い脚をデスクの外に放り出すようにして座っている。
整理するヒマもないのかな。すごく忙しそう。