マシンガン LOVE ~この想い、あなたに届け!~
何故、そんな嘘をついたんだろう。
水無瀬くんがいないときに私が届け物をしただけだと、水無瀬くん自身が私に頼んだわけじゃないと、それを正直に伝えればよかったのに。
よくもまぁ、ペラペラと咄嗟に嘘が出たものだ。
私って、こんなに簡単に嘘がつける人間だったのかと思うと、罪悪感で自分が嫌になる。
「ご迷惑をおかけして、本当に申し訳ありません!!」
もう一度深く頭を下げて詫びると、風見さんが大きくため息をついたのが聞こえた。
「もういい。帰って水無瀬に伝えろ。
そっちが1日遅れたんだから、こっちの仕事も1日遅れだ」
そっと風見さんを盗み見ると、少しばかり怒りの色が消えていた。
私が水無瀬くんをかばったのがバレた?
……ううん。きっと怒っても仕方ないと気持ちを切り替えてくれたんだ。
もしくは、私に呆れたか。
エレベーターを降り、企画部へと向かう途中、水無瀬くんが前方から走ってくるのが見えた。
「木本!!」
珍しく焦った顔をして私に駆け寄ってくる。
そんな姿も素敵。……なんて思ってしまう私は重症患者だ。