マシンガン LOVE ～この想い、あなたに届け！～

「望月さん、声が大きすぎますよ！」

「ははは。水無瀬のやつ、こっちを見てたよな～」

「………」


車に乗り込んですぐ、間髪入れずに声の大きさを抗議するも、完全にスルーされた感じだ。

運転席からバックミラーで水無瀬くん方向を見ながらニヤニヤする望月さん。
その所業が全くわからない私は、思わず先輩だということも忘れて呆れた視線を送り続けた。


「望月さんって、車通勤でしたっけ？」


車が大通りに向けて滑り出し、私はふと浮かんだ疑問を口にした。
我が社で車通勤をしている人なんて珍しいからだ。


「今日は遅刻しそうになったから特別に車で来ただけ。
…あ、みんなには内緒ね。一応俺も電車通勤ってことになってるから」


その言い方からすると、これが初めてではなさそう。
無許可での車通勤は、通勤労災のことも関連するから、バレたら上司からお小言を言われる。そりゃみんなには内緒だわ。


「で、どうよ？　水無瀬とは」

「どう、って……どうもこうもありませんよ」

「同期の飲み会なんて接待じゃあるまいし気楽だろ？ チャンスなのに。何やってんの～」


そう言われましても。
ガンガン行ってた私ですが、最近は行く道を見失った迷子なのですよ。
そんなときにチャンスが来ても対処できないっていうか。