【短編】ネイル

真実のカケラ

「そんなん、忘れちゃえよ」



は……い?


「忘れることなんて、できないよ」



「過去なんか振り返らないで、未来見つめてればいいじゃん。」



「……。」



「俺が忘れさせてやるよ」



え?


オレガワスレサセテヤルヨ?


あたしが不思議そうな目で見つめると、今西さんは口を開いた。


「ずっと言えなかったけどさ、聞いてくれるか?」


あたしはコクリとうなずいた。
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