【短編】ネイル
「初めて君がここに来たときのこと、覚えてる?」


……。何でかな、どうしても思い出せないの。


「ま、いいや。そんとき君、自分の全財産もってきて、今日と同じこと言ったんだよ」



「世界で一番綺麗なつめにしてください、って……?」



「そう。俺あんときはさすがにびっくりしたよ。」


恥ずかしいよぉ……。


「でも、俺一番店で人気なネイルやったんだ。要望どおり。そしたら君何ていったと思う?」


話を聞いてると、忘れかけていた過去が一気によみがえってきた。
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